村上「味わい尽くす会」4年目
[鮭の郷土料理] と[捨てない伝統]を育んできた気候風土とひとびと
本会は「鮭の町」を自称する村上にあって、
秋風とともに俄かに押し寄せてくる寒流に乗って
溯って来る鮭を渾身の技で調理し、歓喜を以て食べる会です。
しかしその背景には、産物の元である山河あり、豊かな養分をもたらす森林樹木あり、
それを育み生産する営みがあり、その恵みを敬う人の心があります。
それらを「山」、「川」、「森・樹木」、「漁・増殖」、「神社」の五つのテーマで
恩恵を噛みしめながら食しています。
今回四回目の「漁・増殖」は農産物でいう
耕作・播種・育成・収穫に当る人が関わる主な部分であり、
折しも増殖制度に連なる青砥武平治の生誕三百年祭に重なりました。
そこには気候風土に根ざして、季節の遷り変わりをも
食に摂り入れた生活に於ける遺産文化としての日本食の真髄が垣間見え、
この食す会の趣旨に必然的に迎え入れられたといえます。
「和食」が無形文化遺産に ユネスコ補助機関が勧告 (2013/10/22)
政府は平成24年3月に登録を提案した「四季や地理的多様性による新鮮な山海の幸」
「自然の美しさを表した盛り付け」「正月や田植えなどとの密接な関係」
などとした「和食 日本人の伝統的な食文化」について、
事前審査を担うユネスコの補助機関が新規登録を求める
「記載」の勧告をしたことを発表しました。
食と関係する無形文化遺産としては「フランスの美食術」「地中海料理」
「メキシコの伝統料理」「トルコのケシケキ(麦がゆ)の伝統」が既に登録されています。
中村直人
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多彩な鮭料理に舌鼓
新潟日報 2013.11.19
村上市で鮭漁が行われているこの時期に、さまざまな鮭料理を楽しむ企画
「三面の鮭御膳を味わい尽くす会」が15日、寺町の割烹吉源で開かれた。
趣向を凝らした20種類の鮭料理が登場し、約30人の参加者は地元に根付く鮭文化を堪能した。
市民の有志らでつくる「三面の鮭文化伝承の会」が主催した。
頭から尾、内臓などあらゆる部位を使った鮭料理1OO種類を
5年かけて食す催しで、ことしが4回目。
なじみのある家庭料理とは一線を画し、殿様に献上できるような料理を厳選して、
地酒とともに提供している。
テーブルには、かす漬けや甘露煮など伝統的な料理だけでなく、
チーズサーモンやアボカドサーモンなど洋風の皿も並んだ。
2匹の鮭の姿煮が火皿で運ぱれると歓声が上がった。
会の途中では吉源の吉田昭一郎社長(60)が
「鮭に含まれるアスタキサンチンは体にとてもいい」などと説明。
普段から鮭料理に親しんでいる地元の参加者は
「白子の薫製のおいしさに驚いた」と感心していた。
東京都国分寺市から夫婦で参加した矢部明さん(75)は
「村上の鮭料理は世界遺産にしなければいけない。
こんなに素騎らしい鮭料理があるのだから、
もっとPRした方がいい」
と絶賛していた。
20種類の鮭料理を堪能した「三面の鮭御膳百選を味わい尽くす会」=15日、村上市