三菱東京UFJ銀行 Comfo
この酒にふさわしい この肴
2011.Spring/Summer Vol.10
鮭の氷頭なます
フィノ・ティオ・マテイオ
マル ケス・レアル・テソーロ
¥3,444(750ml)
シュポンと小気味いい音を立てて「フィノ・ティオ・マティオ」 のコルク栓を開けたときから、
シェリーの楽しみはもう始まっている。
途端に立ち上る華やかで甘い香りに次いで、ツンとくる独特のイースト香が漂い、
ふくよかな広がりをみせる。
シェリーは自ブドウから作られた辛口ワインにフロール(花)
と呼ばれる酵母を与えて発酵きせ、ブランデーを加えたものだ。
ワインの表面に膜を張ったフロールは呼吸しながら熟成を進め、
ボデガと呼ばれる貯蔵熟成庫で長い眠りに入る。
コルクのふたを開けるときは、シェリーが眠りから日を覚ます瞬間。
まさに花が咲いたような芳醇な香りに、期待が高まっでくる。
ダラスに注ぐと、淡い表わら色が美しいQ フィノとは辛口のシェリーで、
この「ティオ・マティオ」はスペインの人々に愛されるシュリーの定番。
ほんのわずかを一瞬、甘い香町が口を走り、あとはひたすらキリッと辛くて爽快。
強めの酒精の心地よい余韻がのどの奥でこだまする。
フィノに合うのは、酸味や塩味のあっさりした味付けの魚介類料理。
マリネや酢漬け、天ぷらなど。そう、辛口の日本酒に合いそうな肴は
だいたい合うと考えていい。
今回、ティオ・マティオといただくのは、新潟の「鮭の氷頭なます」。
水頭とは鮭の頭の軟骨。
とろんとした半透明色で、淡泊な味とコリコリとした歯触りが独特だ。
甘酢、ゆず、大枚おろし、いくらなどを加え、酸味のある味わいに仕上がっている。
辛口のシェリーはストレートに胃袋を呼び覚ます。
続いて、さっぱりした口当たりの氷頭なますをつまんでいると、
食欲がむくむくわいてきて「ようし、今日も食べて飲むぞ」と高揚感が満ちてくる。
シェリーの香りをかいだ瞬間から、もう酔い始めていたのかもしれない。
鮭の氷頭なます
300g
¥700
越後村上うおや
新潟県村上市大町4-3
TEL:0254-52-3056
https://www.uoya.co.jp/uoyasake/shopsake.html
ご紹介ありがとうございました。