新潟のとっておきの味を集めました
新潟うまいもの図鑑【春の便り】
サクラマス塩引

SUITO 新潟うまいもの図鑑【春の便り】 サクラマス塩引

SUITO 新潟うまいもの図鑑【春の便り】 サクラマス塩引

新潟のとっておきの味を集めました 新潟うまいもの図鑑【春の便り】

海、山、里のやに恵まれた食の王国、新潟。
折々の豊かな味覚を味わえる幸せは、新潟に暮らす者の特権。
県内各地で作られているうまいものを探し、訪ね、作り手の思いとともにご紹介します。

越後村上うおや サクラマス塩引

切り身全体に脂が浮き上がり塩加減も絶妙

鮭の町として知られる村上市。創業200年という老舗「うおや」では、
代々受け継がれてきた塩引きの技を用いてサクラマスの塩引きを作っている。サクラマスは、新潟では本鱒(マス)とも呼ばれ、桜の咲くころに生まれ故郷の川に戻ってくる、まさに春の使者。うおやで使うサクラマスは、日本海の東北沿岸から北陸にかけてとれたもの。魚体は鮭に比べると半分ほどの大きさだが、味は鮭・鱒類の中で一番といわれるほど。バラスの部分だけでなく、全体に脂がのっているのだが、実にあっさりして上
品。割烹などで珍重されるのもうなずける。
塩引きの作り方は鮭と同じ。さばいた後に塩を引く(塗る)のだが、この加減が難しい。塩が強すぎても弱すぎても、良い塩引きにはならない。
長年の経験が物を言う世界だ。1週間ほど干して塩抜きし、さらに1週間干して熟成させる。屋内に風を取り込みさらすことで、うま味が増すのだという。
鮭に比べると値段は張るが、春を迎えた喜びとともに味わいたい逸品だ。

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1.天井に風の取り込み口がある作業場に干されるサクラマス。
桜色の身が美しい。うおやでは、塩引きのほかに切り身(生)、煮付け、焼き漬け、みそ漬けなども販売している。
2.町屋が並ぶ村上市の中心部にある「うおや」。

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