ニッポン行きたい人応援団(その3)塩引鮭の一鰭~お別れ
ここで女将さんからダニさんにウェルカム サプライズ
大女将「鮭の一鰭(いちびれ)っていうの。1匹から2つのカマ」
大女将「1つは神様に、1つはそこのご主人様が食べる。2つしか取れないから」
ダニさん「すごく貴重なものですね」
塩引鮭1尾から2つしか取れない希少部位”一鰭(いちびれ)”
鮭が生まれたときから一生を終えるまで絶えず動かし続ける一鰭は生命の象徴として崇拝され、
昔から村上では年越しに神様と一家の家長しか食べることが許されないという特別なもの
大女将「今日はあなたがご主人様。一つ焼いて」
ダニさん「本当に恐れ多いです」
鮭を愛してくれるダニさんにぜひ食べてほしい
女将さんの真心込めたおもてなし。そして…
大女将「十二分に焼けてるね」
塩引鮭究極の逸品”一鰭(いちびれ)”が
さっそくいただくため向かったのは
大女将「これ店と住宅、繋がってる」
お店の奥になる女将さんのご自宅
上がらせてもらうと
大女将「ダニさんですよ~」
いよいよ塩引鮭究極の逸品”一鰭”をいただきます
歓迎会も兼ねて従業員の皆さんも大勢集まってくれました
さっそく…
大女将「これ塩引 一鰭」
ダニさん「でも…」
大女将「食べて!」
ダニさん「はい!」
女将さんに促され…その味は
ダニさん「ん~♪別次元の味です。肉厚の身からじゅわっと美味しい脂がでてきます」
大女将「サンキュー、サンキュー!」
あまりの美味しさに箸が止まりません。
ダニさん「夢のような気分です。どうもありがとうございます」
ダニさん「皆さんが受け継いできた1000年の伝統である一鰭を食べることができたなんて…言葉になりません」
社長「ありがたいね、本当に」
大女将「よかったです」
そして宴会がスタート
この日は一鰭以外にも15品の料理を
中でも女将さんおすすめなのが、鮭の内蔵や白子を味噌でじっくり煮込んだ”なわた汁”
ダニさん「出汁美味しい」
続いては
大女将「村上名物の酒びたし」
塩引鮭を1年以上干した干物”酒びたし”
そこに
大女将「お酒をすこーし、こう。こうやって」
程よい塩辛さが日本酒と抜群に合う村上では定番の食べ方
大女将「これが村上の酒びたし」
ダニさん「塩味が効いて美味しいです」
大女将「塩気を消すにはお酒・ビールたくさん飲めばいい」
ダニさん「それで飲み続けるわけですね?」
本間さん「私たちは毎日」
小池まりこさん「もう少し飲みますか?酔い潰しちゃう?」
ここでダニさん職人さんたちに聞きたかったことが
ダニさん「皆さんにとって女将さんはどんな人ですか?」
阿部さん「呼び名が”お母さん”なの」
小池まりこさん「もうお母さん、母親と同じ。娘になった気持ちで尽くしてます」
大女将「どうしよう、穴があったら入りたい」
渡辺さん「お母さんはすごい情の厚い人だなって。誰も見てくれてないところもお母さんだけは見てくれてるっていうのがすごく感じました」
ダニさん「上司の鏡のような方ですね」
大女将「私なんにもしてない。みんなハート温かい」
大女将「みんなそれぞれ自分の仕事を責任持ってやっててくれるからうおやがあるの」
ダニさん「皆さんは大きな家族のようで素晴らしいです。今日ここに居られて私も幸せです」
大女将「良かったね褒められて」
佐藤さん「じゃあダニさんも家族の一員だね」
ダニさん「ちなみに村上の女性はいかがですか?」
佐藤さん「皆さんおしとやかで見ての通り美人ばっかりで…」
小池まりこさん「美しさには自信があります」
佐藤さん「日本語で社交辞令って言うんだよ」
その後
大女将「こんなとこだけどいいかしらね?ここでお休みください」
ダニさん「テレビで観て和室で寝ることがずっと夢でした」
大女将「よかった」
さらに
大女将「これパジャマ」わっ、値段がついてた
わざわざ隣町まで歩いて買いに行ってくれたパジャマ
ダニさん「柔らかくて最高です」
大女将「良かった、ゆっくりどうぞ。おやすみなさい」
作れなかった三角おにぎりの特訓もしてもらいその後2日間にわたりお世話になったダニさん
作れなかった三角おにぎりの特訓もしてもらい
高橋さん「ダニさんの方がじょうずだね、三角」
ダニさん「塩はつけないのですか?」
高橋さん「あっ塩だ。そうだ。アハハハ」
さらに毎年旬の時期に川鮭やイクラを販売している鮭まつりでは
鮭の目利きのポイントを教えてもらいました
大女将「川の鮭でも若ければ脂がある。模様が入るほどおじいさん」
産卵を迎えた鮭はお腹に婚姻色と呼ばれる赤い模様が
この色が薄いほど若く脂が乗っているそう
大女将「若いほうがいいでしょ人間も鮭も同じ」
そしてうおやの皆さんともお別れ
大女将「どうもお疲れ様でした。ありがとうございました。またこれをご縁に旦那様と遊びに来て下さい」
ダニさん「本当に楽しい3日間でした。この経験は絶対に忘れません」
ダニさん「手紙を書いたのですが読んでも良いですか?」
ダニさん「うおやの皆さんへ この3日間 毎日お世話をして頂き本当に感謝しております。村上に来た目的は塩引鮭でしたが鮭以上に学べたことがあると思います。それはうおやの皆さんのおもてなしや鮭に対する尊敬と愛情です。それと女将さんをはじめ従業員の皆さんの絆を実感してとても温かい気持ちになりました。また戻ってきます。色々なものを教えてくれてありがとうございます」
大女将「生涯にあまりないと思うと…年が年だからあまりないかなと思うと…3日間一緒にいると涙が…」
大女将「お返しにはいどうぞ」
ダニさん「大きい!毎晩食べます」
ダニさん「せっかくの塩引鮭ですがしばらくは食べないで皆さんとの思い出として家に飾っておきます」
女将さん「忘れません」
ダニさん「皆さんありがとうございます」
うおやの皆さん本当にありがとうございました
鮭を通じて人々の温かさに触れた念願のニッポン滞在
帰国を前にダニさんは
ダニさん「ニッポンにとって鮭は国民食であり、また生活の一部なんだなと改めて感じました。今回来られたことによって鮭のことがより一層好きになりました。4年後ではなく毎年来たいです」
ダニさんまたの来日お待ちしています。
さっきのうおやの皆さんもそうだけど、ダニさんが来ることによってすごくいい笑顔になるんだなというのが印象的
たまんなかったですね、鮭を焼いてるあのチリチリチリというのが
おなかがなっちゃう
回遊魚でしょ四年後に戻ってくるって、その鮭に対しての尊敬の念と愛情がね、ダニさんがおっしゃる通りあるんだよね
世界回ったあとで、よう地元帰ってこれますよね