JR大人の休日倶楽部 村上 町屋の人形さま巡り

JR大人の休日倶楽部で村上人形さまめぐりが紹介されました。

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JR大人の休日倶楽部 町屋の人形さま巡り

暖色の日本海 雛祭りの季節。

雪に残る北国に、穏やかな春のぬくもりを届ける行事がある。
日本海沿岸の港町で代々伝わってきたという「雛祭り」。
それは春の訪れを心待ちにする北国の人々の、美しい心映えの結晶だ。
雛が優美に微笑むそれらの町には、だから静かに春の息吹が待つという。

北国には春を呼ぶ行事がある。
雪に降り籠められる地だからこそ、そこに暮らす人は春の訪れを待ち焦がれるのだろうか。
例えば雛祭りの華やかさや優しさも、日本海沿岸の港町のそれは、ほかの土地とは確かに趣きを異にする。
江戸時代後半から明治初期にかけてこれらの港町は北前船の海運で栄え、
いち早く上方文化がもたらされた。
紅花の産地として知られた山形では、紅花商人が紅餅を北前船で上方に運び、
そうして財を成した商人たちは帰りの積荷として、上方文化を求めて帰って来た。
その中には丹精込めて作った紅花が反物などに昇華したものも多数あり、そして中には美しい雛人形も。
そんな華やかな文化が薫るお雛様を、素封家や豪商はこぞって買い集め、そして雛の季節になれば惜しみなく、町の人々にお披露目をしたのだという。
そんな事情で日本海の港町にはるばる赴いた美しい雛人形は家々で代々大切に守り続けられ、
そして現在では雛祭りは、 この地に春を呼ぶ風物詩として広く人々に知られるまでになった。

町屋の人形さま巡り

l_jr085町屋が華やぐ雛巡りの日

新潟県村上市の「町屋の人形さま巡り」では、江戸から平成までの人形4000体を75軒の町屋で展示。
山形県酒田市の「酒田雛街道」では、市内の商店や観光施設など40カ所以上で雛人形が一斉に公開され、町は華やぐ。

城下町村上 町屋の人形さま巡り

まだ雪解け遠い2月下旬や3月初頭からひと月にわたって、”日本海ひな街道”とも呼ばれるふたつの港町に訪れる雛の季節。
お雛様の顔にも明るい陽射しが、ようやくこぼれ始めたようだ。

近代化の波に呑まれ、かつての佇まいを失いつつあった商店街。
その変容とともに衰えていた町の活力を、町並みの再生を通して再び取り戻すという、
静かな奇跡を生んだ場所がある。江戸時代、北前船の寄港地としても大いににぎわった、
越後最北の城下町、現在の新潟県村上市である。
町の伝統建築でありながらも、それまで日の目を見ないでいた町屋という存在に光を当てた
町おこしの取り組みは『昧匠荏っ川』などを中心に町全体に広がり、商家の店先だけではなく
人々が暮らす町屋の内部までをも旅行者が見学できるようにしたことで、際立った成功を収めた。
そんな村上再生の原点ともなった催しが、早春に行われる「町屋の人形さま巡り」だ。
代々受け継がれてきた雛人形や武者人形、 三福神などを広く見てもらおうと、
期間中には約75軒の町屋を開放。
町を訪れた人は、生活空間である茶の問に上がり、家伝の人形さまを見学できるのだ。
大半の参加店では家人が自ら説明してくれるのも特徴で、地元の人々との方言交じりの語らいやふれあいも実に魅力的だ。
村上の酒蔵『大洋酒造』では、酒蔵でしか飲めない原酒の試飲という大人の楽しみも用意され、
老舗茶舗である『松本園』では、 町屋ならではの箱階段と雛人形を鑑賞しつつ、
北限の茶処として名高い村上銘茶で一服できる。

越後村上うおや

l_jr079村上名物の鮭を扱う『うおや』は、店内に首飾りを陳列。茶の間も開放して、
催しの期間中に限定で販売する弁当をゆっくりと味わうこともできるほか、
鮮魚店ならではのあら汁のもてなしも。

笹むすび

l_jr081うおやの「笹むすび」\350は笹にくるんだおにぎりと炊き込み御飯がセット。
笹の香りが爽やか。
名物女将との楽しい会話も「うおや」のもてなし

村上のもうひとつの名物である漆器の堆朱を扱う『小杉漆器店』でも、やはり茶の間に通されて、布袋様、大黒様、恵比寿様の三福 神の人形さ圭と、美しい屏風を鑑賞できる。町屋がそれぞれに商売の特色を生かしながら、訪れた人と人形さまを結ぶ。 だから来訪者は感じることができるのだ。村上の春は間もなくだと。

l_jr087町屋の人形さま巡り

l_jr086越後村上 町屋の人形さま巡り
掲載ありがとうございました。