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村上大祭

村上大祭
 歴史ある城下町・村上には昔から様々な伝統行事が伝えられています。
「村上大祭」はその中でも代表的なもので、江戸時代から続く県内3大祭の一つで、例年たくさんの観光客でにぎわいます。19台の山車(おしゃぎり)が町中を練り歩きます。
 夜には提灯の灯りをまとった屋台がにぎやかなお囃子の音とともにゆらゆら揺れながら町を練り歩きます。その様は大変情緒があり、幻想的でもあります。

村上大祭の由来

  • 村上大祭

     村上大祭は、勇壮にして華麗な祭りです。江戸時代の初期、寛永十年(1633年)に、藩主堀直竒侯が今の地に西奈弥羽黒神社社殿を造営し、臥牛山の元羽黒から御遷宮した時に遷宮祭を執行したのがそもそものおこりとされています。江戸時代には旧暦の6月6日~7日でしたが明治以降は新暦の7月6日~7日に行われています。
     県下三大祭の一つにも数えられるこの祭りは、三基の神輿に御神霊を奉遷して、荒馬十四騎、稚児行列を先導に町内を巡行する「お旅神事」ですが、十九台のオシヤギリ(屋台山車)は圧巻です。彫刻を施し、村上伝統の堆朱・堆黒の粋をこらしたオシヤギリの中には、二百年以上前のものもあり、まさに絢爛たる美しさです。
     村上大祭に曳きだされる山車の事を村上では「おしゃぎり」といいます。呼び名の由来は、歌舞伎や狂言で、鉦や太鼓で演奏される音曲やお囃子のことを「しゃぎり」というところから来ているものとも言われています。寛永十年の羽黒神社の遷座祭に大八車に太鼓を積んで・・・という事がはじまりでしたが、その後この羽黒神社の遷座祭には、各町内で花車や仕組屋台、大名行列など、様々な趣向を凝らしたことが記録に残っています。その後、次第に彫刻や、塗りを施した屋台が現れて驍謔になり、享保年間には、ほぼ現在のような堆朱堆黒などの塗りを施した豪華な屋台となっていきました。

    おしゃぎり巡行順と乗せ物

    一番  久保田町

    「住吉の景」

    久保田町

    裃姿の乗り子が乗るおしゃぎりで後方に楽屋があります。
    乗せ物は鳥居,太鼓橋、松で大阪の住吉大社の景色を現しています。
    見送り彫刻は龍と波の彫刻。

    二番  大町

    「諫鼓に鶏」

    大町

    諫鼓とは昔の中国で、「我が政治に不満あらばこの諫鼓を打ち鳴らし知らせよ」とふれが廻ったが優れた政治に誰も不満が出ず諫鼓には鶏がとまるような有り様であったと謂われる中国の故事で平和の象徴とされています。

    三番  寺町

    「鶴と費長房」

    寺町

    乗せ物は大きく羽を広げた鶴に乗る「鶴と費長房」
    費長房は曽我兄弟の仇討を題材とした曽我物語に登場する「鶴に乗った仙人」としてなじみがあります。

    四番  大工町

    「高砂の翁と姥」

    大工町

    大工町は名前のとおり、宮大工を沢山出している町内で、各所に名工の技が見てとれます。
    乗せ物は高砂の翁と姥。頭は町内の彫師、「稲垣源八」が尉(翁)を、「稲垣政五郎」が姥を製作したと伝えられています。

    五番  小町

    「大黒天」

    小町

    乗せ物は、七福神の一神「大黒天」で金襴の衣装を着て、赤い頭巾をかぶり、打出の小槌を持ち、大きな福袋を背にしています。
    見送りは金箔漆の二羽の鶴と竹の黒漆の衝立。


    六番  塩町

    「猩久」

    塩町

    乗せ物は、「猩々」で中国の伝説上の生き物です。もっとも人に近く、言葉も判るとされ、日本では能楽のひとつとして有名。
    塩町の屋台は、安永元年(1772)に造られたもので、現存する村上の屋台の中では二番目に古いものです。
    また乗せ物の衣装と合わせるように屋根、車輪、手木などは朱の漆が使われています。


    七番  上町

    「梵鐘」

    上町

    嘉永三年(1850)に造られたものです。彫刻は村上が生んだ名工「有磯周斉」の作です。全体に朱漆を多く使い、金箔を施しています。
    乗せ物は「梵鐘」で、「寛永十年六月吉日」「羽黒大権現」と金箔で記されていて、本物と見間違うほどの木製の鐘です。


    八番  細工町

    「三番叟」

    細工町

    大正十三年に昭和天皇のご成婚を記念して前の屋台と同じ形式で造りかえられています。全体に装飾的なものを省き、能舞台のような造りになっています。
    乗せ物は能楽の「三番叟(さんばそう)」です。
    見送りには若松が飾られています。


    九番  安良町

    「住吉景」

    安良町

    乗せ物は「住吉の景」で、住吉神社の景色を松の木一本で表わしています。
    見送りは、丸彫りの「竜虎」がいがみ合いで稲垣又作の作です。


    十番  小国町

    「孟宗」

    小国町

    乗せ物は孟宗で、京都で造られたものです。
    孟宗は、中国二十四孝の一人で、真冬に筍が食べたいという母のために、雪の降る中を筍を取りに出て母親に食べさせてあげたと言う孝行の話が伝わっております。
    屋台後方の見送りの衝立は、「桐に鳳凰」が金糸の刺繍で施されたもので、この下絵は尾形光琳の作と伝えられています。


    十一番 鍛治町

    「二見浦の景」

    鍛治町

    お囃子屋台の中では塗りの施されたものとなっています。
    乗せ物は夫婦岩に大しめ縄を渡した伊勢の「二見浦の景」です。
    乗り子の衣装はからし色の帷子に黒の裃。
    おはやしは村上市の無形文化財になっています。


    十二番 肴町

    「恵比寿様」

    肴町

    肴町の屋台は宝暦十年(1760)に造られたもので、現存する村上屋台の中では最も古いものです。
    乗せ物は鯛に乗った恵比寿様で、殿様から肴商いを許された町にふさわしいもので、屋台と同じ年に京都で造られました。
    屋台後方の見送りをはじめ彫刻は「宝尽くし」で彩られたもので、祭りにかけた町衆の心意気を感じさせる屋台のひとつでもあります。


    十三番 長井町

    「布袋様」

    長井町

    明治初年に再建されたものです。それ以前は2階部分が無く、乗せ物を1階の囃子台部分に乗せていたといわれています。
    乗せ物は前の屋台から引き継いだ布袋様で、京都の人形師の作で、村上の乗せ物の中では唯一のカラクリ人形です。顔を左右に振ったり、舌を出すなど愛嬌があります。
    見送りは雲に飛ぶ鶴の彫刻です。


    十四番 羽黒町

    「大天狗面」

    羽黒町

    以前はにわかでしたが、平成10年に作り変えたものです。
    全体を朱と金で彩り、又色漆を用いるなど今までのおしゃぎりには見られない技法も使われ、伝統技術と現代感覚とが調和した屋台となっています。
    乗せ物は羽黒神社に奉納されている「大天狗の面」をモデルとして、羽黒神社の巌上から市民の平安息災を見守っている姿です。
    見送りも同神社に奉納されている烏天狗面をモデルとしたものです。


    十五番 庄内町

    「瓢箪」

    庄内町

    乗せ物は、「瓢鮎図」(ひょうねんず)。
    平成14年に新調されたもので、一般的には瓢箪鯰(ひょうたんなまず)として地震の鎮圧で広く知られる題材であるが、「不可能に可能を探る」という意味があり、人生の困難を切り開こうとする姿が表現されています。
    平成7年に仁輪加屋台を再建。
    平成11年にはシャギリ屋台に改装されました。


    十六番 片町

    「蘭陵王」

    片町

    片町の屋台は昭和八年に造られたもので、おしゃぎり屋台の形式でありながら、楽はおはやし調子で、乗り子も裃やユカタではなく、ハッピとはちまき姿としているところが特徴的な屋台です。
    乗せ物は、舞楽の蘭陵王(らんりょうおう)、屋台後方の見送りは、壮大な唐獅子で、当時の帝展無鑑査の美術作家、初代小野為郎と山脇敏男の合作によるものです。


    十七番 上片町

    「天鈿女命」

    上片町

    上片町の屋台は、昭和八年に造られたものです。
    乗せ物は神代を象徴する岩戸神楽の「天鈿女命(あめのうずめのみこと)」で、山脇敏男の作です。
    天鈿女命は神話で天照大神が天の岩戸に隠れたとき舞を舞った神様です。4本柱にしめ縄が張り巡らされています。


    十八番 加賀町

    「舌切雀」

    加賀町

    乗せ物は日本の童話「舌きり雀」でなじみのある、良いおじいさんが宝の入った葛篭を担いでいる姿です。
    加賀町屋台のような、二輪加(にわか)屋台の特徴は、お囃子屋台の荘重さ、しゃぎり屋台の豪華さとは趣きを異にした、笛と太鼓とが織り成す軽やかなリズム、それに合せた屋台の軽快な動きにあります。いかにも祭りを楽しむという言葉があてはまるようです。


    十九番 泉町

    「二宮尊徳」

    泉町

    乗せ物は勤労と学問を奨励する「二宮金次郎」です。
    この屋台も、笛と太鼓の軽やかな調子と軽快な動きをする仁輪加屋台ですが、見所のひとつに「見送りの松」があります。
    この見送りの松は三段になっており、取付のとき非常に苦労します。しかしその分、仕上がりはきれいになり、見応えのある見送りとなります。
    また、屋台二階四角に長堤燈を配置しているのも仁輪加屋台としては特徴的です。


    一番  久保田町  「住吉の景
    二番  大町    「諫鼓に鶏
    三番  寺町    「鶴と費長房
    四番  大工町   「高砂の翁と姥
    五番  小町    「大黒天
    六番  塩町    「猩久
    七番  上町    「梵鐘
    八番  細工町   「三番叟
    九番  安良町   「住吉景
    十番  小国町   「孟宗
    十一番 鍛治町   「二見浦の景
    十二番 肴町    「恵比寿様
    十三番 長井町   「布袋様
    十四番 羽黒町   「大天狗面
    十五番 庄内町   「瓢箪
    十六番 片町    「蘭陵王
    十七番 上片町   「天鈿女命
    十八番 加賀町   「舌切雀
    十九番 泉町    「二宮尊徳


     2階に乗せる「乗せ物」も個性豊か。中にはからくり人形などもあり、見ていて本当に飽きません。また、「見送り」と呼ばれる後ろの部分も彫刻を施した見事なもの。後姿も要チェックです。

    ※うおやは「大町」に参加しています!

    平和の象徴「諫鼓に鶏」を乗せた絢爛豪華なおしゃぎり。ぜひ見に来てくださいね!

    おしゃぎりの種類

    ◆しゃぎり(お囃子)
     白木で1階がお囃子と楽屋の二間造り
     乗り子は裃(かみしも)と帷子(かたびら)を着用
     楽屋には三味線奏者がのり優雅な曲を奏でます。(但し、鍛治町は漆で二間造り、上片町は白木で一間造り)
      久保多町、細工町、安良町、鍛治町、片町、上片町
    ◆しゃぎり
    1階がお囃子の一間造り
     彫刻と彩りよく漆が施され豪華な金箔がちりばめられています。
      大町、寺町、大工町、小町、塩町、上町、小国町、肴町、長井町、羽黒町、庄内町
    ◆にわか
     おしゃぎりより簡素で車輪は小型、威勢の良い太鼓と笛の演奏が特徴
      加賀町、泉町

     町ごとに競うようにさまざまな趣向を凝らしており、見比べてみるのも一興。
     また、町ごとに違うはっぴのデザインを見比べてみるのも楽しいものです。
     熱気あふれる越後の祭り、ぜひ一度いらっしゃいませんか?

    メディアで紹介

    週刊あさひだよりの村上大祭見どころや食べどころコーナ

    で越後村上うおやが紹介されました。

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